歌川たいじさんの新著「バケモンの涙」を読み終えました。

その感動が冷めないうちに感想文と「勝手に販促いいんかい」発動☆彡

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 初めてこのタイトルを見たとき「どうしてまたバケモンだなんて」と思った。一緒に紹介されているあらすじを見てなおさら。戦時下の食糧不足をどうにかしようと奔走したこの女性のことを指しているのかしら?もっと他に無かったのかな、なんて。

 日本国外に住む私はこのコロナ禍による郵便事情の混乱を考慮し電子書籍で購読した。実在のモデルがいる「トシ子」の一人称で語られるこの物語は、彼女の優しく真摯な視点で描かれていてとても読みやすい。登場人物たちの表情がとても生き生きと浮かぶ感覚は、他でどなたかも評していたが、まるで朝の「連続テレビ小説」を観ているようなのだ。情景と登場人物の話す様子や行動がTV画面のようにくっきりと浮かび暗く厳しい時代背景ながらも時折散りばめられたユーモアのあるシーンにホッと救われる思いがする。
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 どうして「バケモン」なのか。さらに「涙」とは。それはプロローグですぐに明かされる。しかし。時々描写される「怪物」。たとえば誰にも止められない状況の悪化。さらにそれは子供たちの深刻な飢えであり、悪化の一途をたどる戦局であり、空襲の火に焼かれ目の前で死ぬ人々、トシ子をを阻む世間の常識という壁など様々。抗えない巨大な渦のようなものに飲まれ誰もが慟哭した時代。それらを総じて「バケモンの涙」であると。
読了した今は、これ以上のタイトルが思いつかない。
 

 主人公トシ子は時々「自分らしさとは何か」という課題に思いを及ばせる。現代的に思えるテーマで、今を生きる私達一人一人にもそれは問いかける。自分が、家族が、子供たちがどうにか死なないようにということだけで必死だった当時は無我夢中で、実際には立ち止まり考える余地も無かったのではないのか。子供たちを少しでも飢餓から救えるのなら「自分らしさ」なんてそれこそバケモンに喰われても構わない、そんな気迫がトシ子から伝わる。それでも本来なら自分を有利にさせるはずの「ええとこのお嬢さん」という立場に、時に打ちひしがれ、時に計画の実行を妨げられる。自分の出自や性別について嫌でも思い知る場面にぶつかるのだ。ただし「ええとこのお嬢さん」であったからこそ初動の条件が整ったという背景もある。この両方を内在させトシ子は果てしなく高い山に思える目的の達成に向かっていくのである。

 多くの人にこの作品を読んでほしい。第二次世界大戦がもたらしたものは。残したものは。英雄たちの哀しく美しい話ばかりではない。飢え、病み、苦しみながら死んでいった子供たち、生きながら焼かれこと切れた人々。優しい人も可愛い人も血と涙と焼けた脂肪のあぶくを流しながら、出口の無い熱い釜のような大きなモンスターの胃袋の中でその命を失った。日本中誰の身にもそれが振りかかる可能性があった、そんな日々が本当にあった。そしてその地獄の真っただ中から後の世のことまで考え命懸けで奔走した勇気ある若い女性がいたことも知ってほしい。
 
 ポン菓子誕生には、こんな歴史があった。 こんどどこかで見かけたら買って帰ろう。噛みしめながら思うんだ。これは、ばけもんの、なみだ、だって。


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さあ
とりわけ まだお読みになっていないあなたへ。
1章の朗読動画。トシ子視点の世界観が損なわれぬよう、心を込めて読みました。

※本文の朗読にあたり著者の歌川さんから了承をいただいてますm(__)m

この続きは書籍で!

バケモンの涙
歌川 たいじ
光文社
2020-06-23


在外の私は電子書籍で読みました。



感想文&イラストコンクールもやってますよ。締め切り間近!




歌川さん、毎日楽しいブログ更新とおいしいお料理のレシピ、いつも楽しみにしています。
ありがとうございます。



これねー!歌川さんの絶品ケーキレシピ。めっちゃ頑張ったわー笑

あと記事のイラストに出てくるLGBTフラッグ、7色じゃなくて正しくは6色です m(__)m

歌川さんの書籍のレビュー他にも



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(楽屋裏)動画アプリの修正があまりにも盛りすぎでアレなんで、無しで挑んだらこれまたあまりにもアレで、結局いろいろぼやかすフィルターかけまくり。
すまんなカイエは必死だ。
でも朗読楽しかった。またやりたいな。著作権とか?心配しないでできるような文豪の書籍とかでやってみよか。とか独り言いう午前3時過ぎ。